先々週からお届けしている吉岡麻耶のインタビュー。
今回は自身が主人公・大鳥あいの声を務めるゲーム『夢現Re:Master』について、自身の言葉で語ってもらいました。


吉岡麻耶(よしおか まや)
『夢現Re:Master』について教えてください

私が演じる大鳥あいちゃんは、ゲーム制作会社で働くことになった、どこにでもいそうな主人公の女の子です。
ヒロインがたくさんいて、攻略していくっていう百合ゲームであり、お仕事ゲーです。
私自身、百合ゲームに出るのは初めてでした。
いろいろなキャラとのエンディングがあるのですが、主人公の妹キャラのこころちゃんに行き着くと、この作品の特殊さがようやくわかるんです。
あいちゃんは何処となく希薄なキャラクターなんですけど、最後までやってもらうとその理由が分かります。
とにかく最後までやってくださいとしか言いようがないんですけど(笑)。
ゲーム制作会社に勤めるので、「デバッグしてください」とか専門用語が出てきたり、ゲームを作る上でのシナリオをみんなで精査したり、バグをみんなで対処したり、私もはじめて知ることばかりでした。
ゲーム会社の裏側を知れるっていう意味では、今までにない面白さだなって思います。
みんなで夜中まで会社に残るとか、そういう感じもリアルに表現されています。

ぜひ注目してほしい! というポイントはどこですか?
あいちゃんがいろんなヒロインと恋愛するんですけど、そのヒロインによってあいちゃんの性格が変わっていきます。
軸は変わらないんですけど、この子といるときはこんな冗談も言うんだ、とか。
さっきも言った通り、最初希薄なキャラクターっていうところからスタートしているので、ヒロインごとのルートが進むにつれて、感情の色がしっかり出てくるっていうか、そういうところも面白いです。
キャラクターによってあいちゃんの言葉の選び方が違うのが面白いポイントだなって思いました。
『大鳥あい』を演じて感じたことはありますか?
あ〜、いい子だなって思いました、純粋に(笑)。
だいたい主人公の子っていい子が多いじゃないですか。
だから本当に学ぶことが多いなって思いましたね。
人からこう言われたらあいちゃんはこう受け取るんだって思ったら、なんか自分が反省したりしちゃって。こんなことでイライラしないようにしようとか思いました。
ずっといい子で、全部まじめに受け取って、一生懸命努力している姿が印象的でした。

どのヒロインの、どんなシーンが印象的でしたか?
無限堂さきちゃんがゲームのシナリオライターなんですけど、ゲームを作るのってこんなに大変なんだっていうのが、このルートですごくよくわかります。
よくお仕事でゲームに関わらせていただくんですけど、声を吹き込む作業の前にある過程って、こんなに大変なんだなっていうのを、さきちゃんのシーンではすごく感じました。
自分が納得できないものは上げないっていうプロフェッショナルな姿勢が、すごく印象的でしたね。
さきちゃんは可愛いんですけど、髪がぼさぼさで、あんまり身なりに気を使っていない感じだから、そういう正統派ヒロインとは違う子とのシーンも面白いなって。
収録時の印象的なエピソードがあれば教えてください
すごくいっぱい録りました!
フルボイスだったので、相当な量をしゃべらせてもらったんですけど、ゲームの収録って、アテレコと違ってひとりぼっちで自分のセリフをずっと言っていくんです。すごく孤独だなって感じることもありましたし、特に妹のこころちゃんが冷たくて。
あいちゃんはこころちゃんを追いかけてゲーム制作会社に入るんですけど、追いかけてきたわりにはこころちゃんにすごい冷たくされるんですね。
収録も順番通り、最初は個別シナリオに入る前の、共通シナリオのところを録っていくんですけど、なんでこんな仕打ちを受けるんだろうっていう辛さが、収録の最初はすごい印象的でした。
何度読んでも、何を読んでもずっと冷たくされる! みたいな。
それは孤独でしたね。
他のシーンに行けば好意的に接してくれるキャラクターがいっぱいいるんで、気分もあがるんですけど、ずっと冷たくされるから、そこは寂しかったです。
あとはまあ、収録が長いとお腹が鳴る(笑)。
それと、あいちゃんが栃木出身で、栃木弁を話せる方が喋ったものを聞いて収録するっていうのがあったんですけど、喋っている方が男性の方だったので、より訛って聞こえました(笑)。
栃木弁を話したことがなかったので、面白かったです。
方言ってよく、聞くと可愛いなって思ったりするじゃないですか。
でも自分で発してみると可愛くはないのでは? と思いながら(笑)。
でも制作の方からはいいねって言ってもらえました。

吉岡さんご自身はどんな姉妹が理想ですか?
お姉ちゃんが欲しかったですね。
おさがりが欲しかったんですよ。
よくみんなおさがりは嫌だって言いますけど、実際にいないので憧れというか、「えー、いいじゃん。服2倍だよ〜」って思うんですけど。
だからお姉ちゃんが欲しかったなーって思います。
仲良しで、なんでも話せる年子くらいの距離感の近い姉妹がいいな。
おそろいとか着たいです。
作品ではあいちゃんがお姉ちゃんなんですけど、どっちかっていうと妹のこころちゃんの方がしっかりしているので、きっと私が姉でもこうなるだろうな、って擬似お姉ちゃん体験をさせてもらいました。
作中に登場する『ニエと魔女と世界の焉わり』のように、思い入れのあるゲームはありますか?
あります。
友達にゲームやアニメを教えてもらったときに、ある有名なRPGを知らなかったんですよ。
そうしたら「は?!知らないの?!」みたいに言われて、絶対やるべき! ってオススメされたのがそのゲームだったんです。
それがはじめて自分自身でエンディングまで進めたゲームなので、すごく思い入れがあります。だからエンディングは泣きました。
うぅ〜、こんないい話って。
シリーズの続編は終わりたくなくて、今もなお最後のボスがずっと倒せずにとってあります。
噂でしか知らないんですけど、悲しいエンディングで終わるって聞いてるんで、余計終われないんですよ。

吉岡さんがゲーム会社に転職するとしたら、どんなゲームを作りますか?
売れるゲーム(笑)。
それはまぁ置いておいて、売れるゲームを作りたいですけど、さっき自分の思い入れがあるゲームのお話をしたんですけど、誰かの記憶に残るゲームは作りたいなーって思います。
難易度もそんなに難しくせず、初心者の人が初めてクリアできるみたいな。
ストーリーがあって、エンディングまであるやつがいいですね。
それで悲しいエンディングじゃなくて、ハッピーな要素が欲しい(笑)。
ファンの皆さんにメッセージをお願いします!
『夢現Re:Master』絶賛発売中です!
私はなかなかエンディングまで行き着かないタイプですが、ぜひエンディングまでたどり着いてください。このゲームはエンディングまで行かないと、本当の面白さが分からないと思います!
相当プレイ時間もあると思うんですけど、ぜひみなさんにも手に取ってもらって、クリアしてくれたら嬉しいなって思うのと、私もあいちゃんとリンクする部分があり、自分の気持ちを重ねたところもあるので、吉岡麻耶のことも忘れずに見て欲しいなって思います。
ありがとうございました。

常に明るく、自然体で取材に応じてくれた吉岡。
演技はもとより、この飾らない人柄も魅力のひとつなのだろうな、と感じられるインタビューとなりました。
これからも吉岡麻耶の応援をぜひよろしくお願いいたします!
吉岡麻耶(よしおか まや)
『夢現Re:Master』関連情報
吉岡麻耶が主人公・大鳥あいの声を務めるゲーム『夢現Re:Master』が6/13(木)に発売となりました。
どうぞよろしくお願いいたします!
作品紹介

企画制作:
株式会社工画堂スタジオ しまりすさんちーむ
キャスト:
大鳥あい(CV: 吉岡麻耶)
柳谷こころ(CV: 沼倉愛美)
無限堂さき(CV: 徳井青空)
太刀花なな(CV: 井澤詩織)
マリー・マーラー(CV: 池澤春菜)
醍醐ほのか(CV: 伊藤静)
ばな子(CV: 大坪由佳)
『夢現Re:Master』は、『白衣性恋愛症候群』『白衣性愛情依存症(英語タイトル:Nurse love addiction)』を生み出した工画堂スタジオ、しまりすさんちーむ渾身の、キラ☆ふわガールズラブゲーム制作会社アドベンチャーゲームです。
前二作「白衣性~」のシリーズは、医療現場の看護師や、看護学生という「職」に纏わる物語でしたが、本作は同じ「お仕事」ものでも、我々が日頃取り組むゲーム制作現場がステージとなり、そしてそこで働く人たちの物語を描きます。
舞台となるのは、帝都東京の都心からほど近い、今も下町人情が残る街「虹園寺(こうえんじ)」に、ひっそりと居を構える小さなゲーム開発会社「ユリイカソフト」。
田舎育ち純朴系女の子、主人公のあいは、親の都合で長い間離れて暮らし、今はゲーム会社で働く妹、こころを訪ねて、ひとりドアを叩きます。未知なるゲーム制作の現場は、まるでゲームのような、ゲーム以上に奇天烈なキャラクターたちが溢れ、圧倒されながらも刺激的な日々を送ることになります。
ただ一つ気がかりなのは、あれだけお姉ちゃん子だった妹こころの、突き放すような冷たい態度……。妹のために単身上京してきたあいは、心のよりどころを失ってしまいます。
そして、あいがユリイカソフトに入ってすぐに担当することになった、リメイクソフトの元になった同人ゲーム作品「ニエ魔女」とは。about | 夢現Re:Master