『Tokyo 7th シスターズ』に雲巻モナカ役として出演、さらにユニット『七花少女(ななばなおとめ)』としても活動する桜木アミサ。
今回は彼女にスポットを当て、声優を目指したきっかけや、デビューしてから感じたことなどを聞いてみました。
桜木アミサ(さくらぎ あみさ)
声優を目指したきっかけは何ですか?
小さい頃から家族でアニメを見ることが結構あったんですけど、お兄ちゃんとかお母さんから「この声は〇〇さんがやってるんだよ」とか聞いていたので、声優さんっていう職業は小学校に入るくらいの頃には知っていました。
アニメを見たりゲームをしたりするときに「この声優さん好きだな〜」とか、「この声は〇〇さんだ」とか、小さい頃から声を意識していました。
声が入ってないゲームだったら、自分で声を当てながら遊んだり(笑)。
小学校の国語の授業で、みんなで一文ずつ読んでいく音読の時間があったんですけど、私にたまたま回ってきた文が、めっちゃ短い一言だったんです。
「どうして?」みたいな。
文末にはてなマークがついてたから、ちゃんとはてなマークのニュアンスをこめて読んだら、それまでずっとふんふん、って聞いてた先生が、私が読んだ瞬間、はっ! って顔を上げたんです。
「今のすごい良かった」って褒めてくれて、嬉しかったですね。
あと、国語の教科書に載ってた話を人形劇にして発表するっていうのがあったんですけど、自分で動かしながらセリフを当てるのが、すごく楽しくて好きでした。

中学校のときには、お母さんが入ってたコープ(生協)の出し物で人形劇があって、それをお母さんに「やってみない?」って言われて、「やる」って(笑)。
自分自身も楽しかったし、それを見たお母さんとか、周りの方が「すごく良かった」「可愛い」って褒めてくれたのが嬉しかったです。
そういう、たまたまだけど元々声優さんを知ってたり、先生やお母さんに褒められて嬉しかったり、人形劇が楽しかったりっていうことがあって、「もっとやりたい」って思うようになりました。
仕事をする上でのこだわりやモットーを教えてください
いろいろ気をつけてることはあるんですけど、やっぱり明るく笑顔に。
あと私、結構心配性で、何でも結構早め早めに行動しちゃうところがあるんです。
どこかに行くときは、乗り換え検索で何分には着くぞ、っていうのを調べて、じゃあ家を何時に出なきゃいけないから、何時に起きるぞ、っていうところまで全部早めに行動しちゃって。
家で準備が終わって、もっとゆっくりできるなっていうときでも、そわそわしてちょっと早めに家を出ちゃって、そのまま早めの電車に乗って行っちゃうんです(笑)。
でも着いてみたらちょっと早すぎたかな、って思うときもあるので、そのときは外で5分10分ボーッとして、ちょっと時間を調整してから入ってます。

演じる上では、まず自分の中での「この子はこういう子だ」っていうイメージを作ります。
台本を読むと何となく大まかな性格が分かるんですけど、それだけじゃなくて「この子はこういう子です!」っていうのを自分の中でしっくりくるまで、ちゃんとイメージを固めます。
それで自分がその子を好きになって、自分が一番その子のことを分かってるって思えるくらい、その子の気持ちを込めて演じるっていうのはやっぱり大事にしなきゃいけないなって思っています。
あとこれはいろんな方がいるとは思うんですけど、私は結構台本に忠実に演じるタイプなんです。たまに「この句読点はちょっと不思議だな」って思うときもあるんですけど、それを「普通はこうでしょ」って直しちゃうのは良くないなって思ってて。
ゲームの収録だとシナリオを書いてくださっている方が来られていないこともあるので、そういうときって、シナリオやセリフを書いてくださっている方が「こういう風に喋るんだよ」っていうのを伝える場が、台本の文面しかないんです。
だから、そこにこだわりがあるかもしれないって思うと、一見ちょっと不思議に思うセリフでも、それがその子にとって自然に出る言葉だから、私はそうなるように考えて演じようと頑張っています。
声優人生のターニングポイントになった作品や役はありますか?
最初は『妖逆門-ばけぎゃもん-』っていう作品で、ある女性声優さんが、この場面から急にこの場面に飛ぶっていう場面転換を、そのまま止めずにやってらっしゃったんですね。
ここでは明るかったのに、次の瞬間泣く、みたいな。
感情の切り替えを表現されていたのを目の前で見たときにすごく感激して、家に帰って一生懸命やってみたんですけど、そのときはちょっとどうしてもできなくて。
悔しいって思いながら、何度も繰り返し練習して、すごく刺激になりました。
『アルカナ・ファミリア』っていう作品では、普段の喋り声からすごく魅力があふれている女性声優さんがいらっしゃって。
可愛い声だな、とかキレイな声だな、っていうレベルじゃなくて、もう普通に喋られてるだけで、生声のパワーっていうか、めっちゃいろんな魅力が凝縮されていて、とにかく次元が違うっていうのを感じて、こんなに素敵な声があるんだ、って衝撃を受けました。

あと『魔法使いと黒猫のウィズ』でやらせていただいたティマちゃんっていう子がいるんですけど、それまで私が演じたことのないような、すごく面白い子なんです。
ティマちゃんは喋りがもう本当にうまいキャラクターで、漫談というのか分からないんですけど、作ったお話がすごく楽しくて。
ストーリーを普通に読んだだけで面白いから、逆に言うと私の声がついたことで逆に面白くなくなっちゃう可能性もあると思って……。
「これはもう大変な仕事だ」って、芸人さんのコントとか漫談とかをいろいろ見て、こういう風に喋ると面白いんだ、とかもう必死になってお笑いを勉強しました(笑)。
お笑いって声の調子もですけど、間とか、声の迫力とか、言い方とか、そういういろんなところにたくさんの技術が必要なんだって思って。
すごく難しくて、何度も自分で録音したものを聴きながら「ダメだ、面白くない、まだ面白くない」って試行錯誤しました。
テレビでお笑いを見るのも好きなんですけど、自分の中に全然落とし込まれてなかったと思って(笑)。
ティマちゃんを演じるにあたって、書いてくださったストーリーに負けないように、すごくいっぱい考えて頑張ったなぁって思いますね。

歌やダンスを披露する作品にも出演されていますが、その中で感じることを教えてください。
アニメとかゲームとかでは、皆さんキャラクターを目にしながらその世界観を感じていただいていると思うので、自分自身が歌とダンスを披露するっていうのは、また違った努力が必要だなって思っています。
この間『ナナシス(Tokyo 7th シスターズ)』のライブの全体練習があって、今度のライブでデビューする『七花少女』のユニットのメンバーのみんなを見ながら「あぁ、すごい可愛いな〜」って思ってて(笑)。
同じ事務所のしーちゃん(井澤詩織)とかが踊ってるのも見てたんですけど、もう練習の段階からすごい輝いてました。
ダンスって個性が出ると思うんですけど、その個性もダンスの魅力のひとつだなって。
だから踊っているみんながそれぞれすごく素敵なんですよ。
可愛いし、輝いてるし、動きも何から何まで見てるだけで「好き♡」って感じなんですけど、自分がやれるかっていうと難しいなって思ってます。
ダンスを覚えるっていうことも大変なんですけど、動きをキレイにするっていうのがなかなか一朝一夕にはできなくて。
でもユニットだから、みんなが一緒にいるっていう気持ちで、励まされながら踊ってます。みんなと一体感を持って踊ってると、すごく楽しくって、つい笑顔になってしまうという……。
歌とダンスってなると、気持ちでその子になるっていうだけじゃなくて、自分自身に魅力がつかないと、みんなにいいって思ってもらえないのかなって。
この間衣装合わせもしたんですけど、すごく可愛い衣装を作ってくださってても、自分自身がズボラというか、ボサッとしてたらせっかくの衣装も輝けなくなっちゃうんですよね。
だから、私自身もちょっと気をつけないといけないな、自分自身にも目を向けなければいけないなっていうのをすごく感じています。

インタビューの序盤ではやや緊張気味だったのか、上手く話せているかをたびたび心配することもありましたが、少しずつ緊張が解けてくると笑顔を多く見せてくれたことが印象的でした。
次回は好きなものやマイブームなどについて聞きながら、より素顔に迫っていきます。
意外な特技も明らかに……!?
ぜひお楽しみに。

