声優

井澤詩織 インタビュー① ─ 「やるからには妥協しないぞって思ってやっています」

今回からは3回にわたって、井澤詩織を特集!
第1回となる今回は、声優としてのこれまでの歩みや現在について、たっぷりと語ってもらいました!

井澤詩織(いざわ しおり)

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仕事をする上でのこだわりやモットーはありますか?

いろんな方向からあります。
すごく基本的なことだと、遅刻をしない。10年以上この仕事をやってきて気がついたのは、人との繋がりが一番大事だということです。声優としてお芝居ができるかできないかも大事ですけど、人として遅刻をしないっていうのは当たり前のことだと思うんですよね。
一緒にお仕事するときに、実力が同じくらいで、好かれている人と、そうじゃない人とを比べたら、絶対好かれている人を選ぶじゃないですか。それを考えたときに、笑顔で挨拶するとかはもちろんですけど、まずその時間にきちんといるっていうのは重要だと思います。
万が一遅刻しちゃっても、基本的には許していただけるじゃないですか、だから一発で退場になっちゃうってことはないですけど、やっぱり積み重なったら……。だから未だに早く現場に行く癖は直らないですね。早く来られても困るっていうときもありますけど、遅れるよりはいいかなって。

待ち合わせの概念って人によってバラバラだなって思います。例えばプライベートの約束で「15時集合」っていうときに、15時の電車で来る人がいたり、15時に駅に着きます、みたいな人がいたり。そういう人を許せないわけじゃないですけど、自分はできるだけ気をつけています。

時間をきっちり守るっていうのは基礎として、お芝居についての一番のこだわりは、その作品に興味を持つこと。
脇役とか、端役とかでも、こんなにたくさん声優がいるのに、そのキャラクターを演じられるのって自分しかいないわけじゃないですか。私はすごく下積みが長かったから、それが恵まれているということを自覚しないまま、適当に演じるのが嫌だなって思います。

役者は「自分なんか全然ですよ〜、あのシーンしか出てないんで」みたいに、通行人Aとかの名前のない役を、全然大した役じゃないって言いがちなんです。
以前アニメーションの作画の方とお話したことがあるんですけど、絵を描いた人って、その通行人Aでも、動かすために何枚も描いてるから、覚えててくださってるんですよね。「あのシーンに出てきた人ね〜」って言ってくださるんですよ。それって、私たちが「一言しかないんで」なんて言っていい労力じゃないと思います。それってすごい失礼な話じゃないですか!
そういう役がいるから物語が成り立って、主人公がいるわけじゃないですか。そういうことを、忘れないようにしないとなって思って仕事してます。

声優人生のターニングポイントになった作品や役はありますか?

いくつかあって、『ガールズ&パンツァー』の園みどり子と、『ウィッチクラフトワークス』の倉石たんぽぽと、『ヘボット!』と、『メイドインアビス』のナナチ。
そこが大きな4つです。

『ガールズ&パンツァー』と、『ウィッチクラフトワークス』の頃は、まだすごく自分の声にコンプレックスがあったんですよ。
デビューしてからずっと、「変な声」って言われていました。私は自分の声に特徴があるから声優を目指そうと思ったタイプではなかったので、「もうちょっと普通の女子高生をやってくれる?」って言われても、私はこの声で女子高生をやってきたから、普通ってなんだろうってすごく悩んでいた時期があったんです。
この2つの作品をやらせてもらっていた頃はまだ「うまく演じなきゃ!」「変だって言われないようにしなきゃ!」っていう思いがすごく強かった時期だったんです。でもこの2つの作品の監督である水島努監督が、「井澤さんはその声だからキャスティングしたんだよ」っていうようなことをおっしゃってくださったんです。実際にこの声だったから、みなさんが話題にしてくれたキャラクターでもあったんですよ。
ここで全部の悩みが晴れたわけではないですけど、でもすごく転機になったポイントでした。「この声がいい」って言ってくれる人がいた! って。

『ヘボット!』は、子供向け作品のマスコットキャラクターです。1年間続いた作品でしたし、オモチャにもなりましたし、声優をやるからには、っていう夢を叶えてくれた作品ですね。

『メイドインアビス』は、すごくパワーのある作品です。「ナナチから原作と同じ声がする」とか「想像通り」とかってすごく言ってもらえたんです。
やっぱり声優をやっていると、原作ありきの作品がアニメ化したときに、「原作と声が違う!」って言われたらどうしようって結構思うんですよ。もちろんオーディションを受けて選んでいただいているので、合わないわけがないって思いたいですけど、やっぱり「イメージと違う」って思われて最初のスタートで躓いたら結構きついなって感じるので、嬉しかったですね。

歌やダンスを披露する作品にも出演されていますが、その中で感じた楽しさや厳しさははありますか?

元々は歌もダンスもすごく苦手で、専門学校の時に歌のテストをズル休みしたり(笑)、ダンスも下手くそだけど、頑張ってるから点数あげるよ、ぐらいの感じでした。

私がデビューした当時って、声優になったらすべからくダンスも歌もっていう世代ではなかったし、まだYouTubeとかニコニコ動画とかが流行る前だったので、ダンスや歌のプロじゃない人が誰かにそれを披露するっていうことはなかったんです。選ばれた人がそういう場に立つっていうイメージでした。だから、ステージで歌って踊れる才能がある人と、自分とを一緒にはしていなかったです。家で勝手に歌っているぶんにはいいんですけど、人前で披露するのにはわりと勇気が必要だったんですよね。

でもどんどん声優界の状況が変わってきて、自分も歌とダンスを避けては通れない状況になっていました。
お金を払って見に来てくださってるお客さんに、「歌やダンスが苦手だからこれでいいでしょ」って開き直れないじゃないですか。気持ちだけで突然うまくなるとは思わないんですけど、やるからには妥協しないぞって思ってやっています。

求められているステージはアイドルと同じようなことなんですけど、声優のスケジュールはアイドルと違うじゃないですか(笑)。
アフレコとかの合間に、アイドルになるためのレッスンが数回あるだけなんです。でも今の時代、お客さんも目が肥えてるから、それがやっぱり今だに「うぅ〜…」ってなりやすいところではありますね。
だからホント、声優になりたいっていう人たちに言いたいのは、宿題まじで多いから! 学生時代の宿題が出来ない子は無理だから! っていう(笑)。勉強かそうじゃないかはありますけど、結局宿題を自分で今からやるぞ! って決めてやらなきゃいけないから、学校の宿題が出来なかった子は、声優業は厳しいよ、って(笑)。

次回はオフの日の過ごし方など、プライベートに関する質問を中心にお届けします。
お楽しみに!

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